【LoR】ゲームデザインから読み解くルーンテラ攻略【神ゲー】
0.前書き
どうもこんにちは。雑食カードゲーマーのあきさくです。
レジェンド・オブ・ルーンテラ 楽しんでますか?
自分は正式稼働後に始めて、楽しくて仕方がなかったので最高ランクのマスターまで一気にやりました。最高順位はアジア鯖17位。
今回の記事はルーンテラを既にプレイ済みの方に向けて、プレイングの指針や考え方の助けになればと思って書きました。また、未プレイの方もこの記事を読んでルーンテラの奥深さを知り興味を持ってくれると嬉しいです。
ルーンテラは公式の日本大会が6月にあり、なんと賞金総額800万円です。
しかも参加者はランク上位のたった256人だけ。参加するだけで期待値+3万!すごい!皆さん始めましょう!
最近は実況動画も増えてきています。実況者の中では元気のいいあぽろさんが好きです。(初心者だから内容は薄いのはご愛嬌)
1.背景と目次
最新DCGで神ゲーであるところの レジェンド・オブ・ルーンテラ。
デジタルカードゲームでありながら、遊戯王やMTGやドレノのようなリアクションの応酬がある独特のゲームデザインをしており、かなり新感覚なカードゲームです。
そのため稼働初期の現在は自分を含めてまだ各プレイヤーのプレイングが固まっていないと感じています。
そこで今回の記事では、思考を整理し、強行動を理論的に固めていこうと思います。
※この記事はLoR実装当時に書いたものです。カードの追加や効果の修正により内容が噛み合わない部分があったりしますが、その部分は各自補完してください。
目次
2.本編
※用語: クリーチャー=生物=フォロワーorチャンピオン
A.独自システムの把握
※この項目は内容がオタク向きなので飛ばしてもらっても構いませんが、知っておくと差がつくポイントも多いです。
①スペルマナ
ルーンテラで最も特徴的なのがこのスペルマナシステムです。
余ったマナは3マナまでスペル専用のマナとして次のターンに持ち越すことができます。
覚えておきたい仕様と感覚は以下の3つ
・スペルを使用するときはスペルマナから使われる
→スペルマナを回復する効果を使用するときに覚えておくと便利です。
・スペルはROUND数+3マナの大スペルを先行して使用できる。
→例えば9マナ全体除去の破滅。他ゲーでは9マナのカードというのは終盤にしか使えないものですが、ルーンテラでは6ターン目から打てます。加えて言うと、5ターン目では打てません。後者は当たり前のようですがこの感覚を持つことはデッキ構築において重要です。
・総マナ数という考え方
→”使えなかったマナは無駄になるから、できるだけそのターン使えるマナを使い切るように動く” というのがカードゲームの基本です。しかしルーンテラでは余ったマナを保存することができるので、常に”わざと使い切らない”選択肢があります。
使い切らない選択肢を考えるときは、これからの各ラウンドでもらえるマナを合計し、未来に使用したいマナを引いてその余りマナで運用するのがお勧めです。
例1:
幼体の目覚めを4ターン目に打とうと思った場合、ROUND1から考えてマナの総量は1+2+3+4=10マナ。なので3ターン目までに使っていいマナは10-5=5マナまでである。
例2:
5ターン目にハイマー+輝く才気コンボを使いたい場合、4ターン目までに使っていいマナは、
5ターン目までに得られる合計マナ:1+2+3+4+5=15
5ターン目に使いたいマナ:5+3=8
4ターン目までに使っていいマナ:15-8=7
で7マナとなります。
この考え方を頭に入れておくと、ゲームプランの構築やデッキ構築で頭が整理しやすくなります。
②戦闘システム:防御側が戦闘をコントロールできるがダメージが蓄積する
ルーンテラ独自のポイントその2は戦闘システムです。
防御側が当てる生物を選択できる防御側有利の戦闘システムです。
しかしダメージは蓄積するためチャンプアタック(一方的にやられる戦闘のこと)が無駄になりません。そのため横並べ戦略が強くなりやすいです。
詳しくはC.戦闘編で述べます。
③優先権と行動権の移り変わりについて
まず定義について
・優先権というのは、今行動できるよ、という権利です。
・行動権というのは、相手がパスしてきたら次行動できるよ、という権利です。
これは似ているようで違っていて、分かりにくいと思うので例を挙げると、
これは優先権も行動権もある状態。(自分が行動できるし、パスしても次の行動ができる)
このような攻撃宣言時は、優先権はあるが行動権がない状態。
ここでATTACKボタンを押すと行動権がないので、相手がパスした場合は追加でダメージを伸ばすファストスペルやバーストスペルは発動することができません。そのためこの攻撃宣言のタイミングで一緒に打つ必要があります。
強化スペルを先打ちするのが正着かどうかは相手が除去を打つのかとの読みあいになってしまい、この読み合いは優先権を後に持つ防御側が有利です。
優先権と行動権の放棄のタイミング(要するにパスとチェーンの積み方)がルーンテラを面白くしている要因の一つでもあり、難しい面でもあります。
勝つためにはこのシステムを理解し、頭に入れることが重要です。
これらを念頭に入れて次の④に移ります。
④効果の処理順:バースト、ファストの発動仕様と使うべきタイミングについて
知っているかどうかで差がつく効果処理のタイミングについてです。
まずはバーストについて。
・バーストの特徴:即時発動、チェーン不可、優先権の移動無し
バーストは効果発動に割り込まれず、連続で自分がカードを使用することができるのでシステム的に強いです。ちなみに生物の召喚はバースト処理扱い。
バーストの即時発動の恩恵について、レンジャーの決意を例に挙げます。
相手が1点除去を2枚持っているときに、こちらのヘルス1の生物に1点除去を打ってきました。ここにレンジャーの決意を被せて打ちます。すると即時発動しますので、相手の”レンジャーの決意にチェーンして上から1点除去のファストを打つ”行動を許さず生物が生き残ることが確定してしまいます。インチキ強いですね。
もう一つの例としてラックスの誘発効果について。
ラックスは6マナ分スペルを唱えて解決したときに生き残っているとレベルアップしファイナルスパークを生成します。
この6マナの条件をファストスペルで達成しようとする場合、割り込んでラックスを除去されてしまうとレベルアップできません。それに対してバーストスペルで唱えた場合、即時発動するので確実にレベルアップし、さらに優先権が相手に移動しないので続けてファイナルスパークを打つことができます。このようにシステム面を理解することで、相手に攻撃される前にファイナルスパークを打つことができるようになります。
挙げた例を見てもらうとわかりますが、バーストは自分の好きなタイミングで好き勝手やりつつ相手は妨害することができない、という特徴をもち非常に強力です。
相手からは予想がしづらいので、相手の行動にリアクションするように打つのが効果的な発動タイミングになります。
バーストでもう一つ覚えておきたい点は、”相手がパスをしてきたときにバーストを打つと、相手のパス状態が解除される”ことです。バーストを打っても優先権は移動しませんが、相手がパスして放棄した行動権は回復します。
・ファストの特徴:効果発動はチェーン解決時にまとめて発動する、優先権の移動が複雑
ファストはいろいろめんどくさいです。押さえておきたいポイントは以下
・行動権がないときは複数のスペルを同時に発動しなければならない。
→前項③の攻撃宣言時のような行動権が無いタイミングでは、相手がリアクションしない限りファストを打つタイミングが一度しかありません(ちなみにスペルを打たれなくても防御宣言されれば行動権がもらえる)。そのため相手がパスをすると読む場合、複数のファストを使いたいならまとめて使う必要があります。ファストを使いたいときは行動権のあるなしを意識して、意図しないファストの打ち漏らしをしないように気を付けてください。また、複数のファストを同時に使うと相手がリアクションしてきたときに大損になりやすいので、できるだけ将来に打つ可能性が高いファストスペルは優先権が暇なときにこまめに打つ癖をつけましょう。
・優先権を移動したいかしたくないかでタイミングを変えて打つ
→ファストは使い方によって優先権を移動させるかどうかを選ぶことができます。自分や相手の行動にチェーンして打つと優先権を移動させずに打てますし、自分が優先権を持っているタイミングでファストスペルを打つと優先権が移動します。
前者は戦闘権を持っているときによく使い、後者は待ちのプレイをしたいコントロールデッキでよく使われます。地味なようで非常に重要なテクニックです。
A-③まとめ:バーストは最強。ファストは使用タイミングを意識して使うように気を付けるべし。
B,スタッツ設定編
※カードデザインとデッキ構築に関する考え方中心の項目です。
①クリーチャー>除去 とするサイズ設定
ルーンテラは生物が強いゲームです。以下のようにバニラカードを並べて比較してみると一目瞭然。
通常、カードゲームでは生物より除去の方が強くなるデザインをします。(除去スペル自体ではゲームに勝利できないため、生物より強くしないと使われなくなる為)
しかしルーンテラではA項で前述したスペルマナシステムと、詳しくはC項で後述する”戦闘は生物の合算で行う”考えが適用できるため、このようなサイズ感となっていると考えられます。
とりあえず生物が強いので生物主体にデッキを組むのが大切です。
②除去のマナカーブが歪で3点以上が出しづらく、ヘルス4が強い
ルーンテラは除去のマナカーブ(マナが増えるごとに効果が強力になる度合い)がとても歪です。以下に構築でもよく使われる除去を並べます。
2コスト:2点
3コスト:デメリットあり 3点
4コスト:3点
5コスト:追加効果あり 3点
7コスト:確定除去
見ての通り、マナコストが増えても3点の除去の使いやすさが変わるだけで4点以上の除去が無いです。つまりヘルス4以上の生物は一枚で除去されづらく強力であることと、体力を4以上に保つという行為に価値がある、ということがわかります。
レベルアップにより体力が3から4になる”カルマ”と”エズリアル”については、レベルアップ条件を満たしてから召喚するかどうかで除去されやすさが大きく変わります。このことを念頭に置いてプレイすることで生存率を上げることができます。
③クリーチャーと除去のバランスを取るスペルマナという存在
前述のようにルーンテラではかなり生物が強いのですが、これを調整するシステムがあります。スペルマナです。
スペルマナがあることで、スペルには以下の恩恵があります。
・本来使えないマナ帯のスペルカードを先行して使える
・そのターンに使わなくてもマナを持ち越せるのでいいタイミングでスペルが使える
※構築面:生物主体でデッキを組むと、スペルマナの恩恵を受けづらくなる
これまでの話を総合したうえで考えると、明らかに強いカードがあります。それは両方の良いところどりができる、生物を召喚する召喚スペルです。
スタッツが強い生物を召喚する癖にスペルシステムの恩恵を受けられる召喚スぺルは、強カードである、と言えます。デッキに積極的に採用していいでしょう。
B項の結論:ヘルス4以上のクリーチャーや、クリーチャー召喚スペルが強い
C,戦闘編
①防御側が有利
ルーンテラの戦闘システムは、マジック・ザ・ギャザリングを基本としながら、DCGの要素を兼ね備えています。基本は防御側が有利です。
まず整理を兼ねてルーンテラの戦闘流れを見てみましょう。
1.攻撃側が攻撃クリーチャーを選択する
2.防御側が防御クリーチャーを好きな攻撃クリーチャーにあてる。
最大の特徴は防御側が好きな戦闘を行えることです。
分かりやすくMTGとDCGの経験者それぞれ向きに解説を分けます
Ⅰ.MTGプレイヤー向け
ダブルブロックのできないMTGだと思ってください。防御側が有利ですが、MTGと違ってダメージが蓄積するので盤面が膠着しづらいです。チャンプアタックやブロックが無駄死にではないので、サイズが大きいクリーチャーをコントロールしているプレイヤーが有利、ということにはなりません。
Ⅱ.DCGプレイヤー向け
攻撃対象が選べないので、小さい生物を複数ぶつけて大きい生物を取る、という行為が能動的にできません(体力が減った4/1に1/1をぶつけるとか)。自分のしたいトレードが基本的にできないので、相手の行動をある程度予測、コントロールしないと戦闘を思う通りに動かせないことを頭に入れてください。
続けて②,③の説明に移ります。
②戦闘は単体ではなく複数クリーチャーの合算で行う、という考え方を持つべき
この場面では、どうブロックをしたらいいでしょうか。
正解は2/1でブロックです。
普通の感覚だと、2/1をタダで取られているように感じますが、しっかり2点ダメージが蓄積されるので全く損ではありません。ブロック後の状況が以下のようになります。
相手のアナグマの体力を2減らしたことによって、相手は次のこちらの攻撃力2のクリーチャーととても戦闘しづらくなりました。
もしも2/1でブロックをしていなかった場合、次の戦闘でまた4/4のアナグマの相手をしなければならなくなり、不利状態が継続してしまいます。
このように、サイズで負けている場合こそチャンプブロック、チャンプアタックが非常に重要です。
ルーンテラでは防御側しか戦闘対象を選べないので、攻撃側、防御側の2方向から相手の生物と戦闘を行い、削っていくという意識が重要となります。
・複数戦闘の損得について
複数クリーチャーで当たるとアド損じゃん!と思う方もいると思います。しかし実は普通に複数戦闘する分には基本損をせず、むしろ複数クリーチャー側の方が有利です。
3マナ4/4 ⇄ 1マナ2/2×2体
このトレードは、損でしょうか?
手札アドで1枚損ですが、テンポは1マナ得なので1マナ側が微損といったところでしょうか。
しかしライフへの打点を見ると、1マナ2/2側は攻撃側の場合は相手ライフに2点入れることができますが、3マナ4/4側は攻撃側でも1点も入れることができません。
打点分の働きを考えて、複数クリーチャーの方が有利と言えるでしょう。(ルーンテラでは手札が尽きて負けることはほぼないため手札アドとテンポアドの価値が近い、という点も加味する)
続いてこの例はどうでしょうか。
3マナ4/4 ⇄ 2マナ3/2×2体
この場合は流石に3マナ側が有利です。1マナの時との違いは、ヘルスの端数です。
ヘルス4に対して攻撃力2×2ではぴったりですが、攻撃力3×2では2の超過分を3マナ側が得しています。
単体側をコントロールすることが多いミッドレンジデッキでは、ヘルスの端数を生かすように戦闘すること。
複数側をコントロールするアグロ寄りのデッキ(もしくはシャドーアイル)では、複数体でのトレードを意識したアタックブロックをすること。
この2点を心掛けましょう。
③横並べが強い
前項で少し触れましたが、基本的に、複数クリーチャーをコントロールするプレイヤーしか相手ライフにダメージを与えられません。そのためルーンテラでは横並べ戦略が強力です。
例えばこの場面。こちらの蜘蛛側が圧倒的に有利です。アナグマ側はまったくダメージを与えられる気がしませんが、蜘蛛側は全軍突撃を繰り返すだけで相手のライフ(とアナグマのHP)を削ることができます。
ただし横並べには全体除去に弱いという弱点があります。しかし現カードプールでは全体除去を持つ地域は限られてるので必ず飛んでくるわけではありません。
横並べ戦略が警戒されない限りは、横並べ戦略は有効である、といえるでしょう。
④横並べ戦略に対抗する各種回避能力について
横並べツエーという話をしてきましたが、ルーンテラは神ゲーなので縦型戦略にも
横並べに対抗する各種キーワード能力が用意されています。
どれも元々不利な攻撃側の戦闘を有利にする能力です。
チャレンジャー:攻撃も防御も有利な戦闘しかしない
フィアサム:チャンプブロックをさせない
オーバーパワー:チャンプブロックを許さないので合算の概念を壊す
イルージヴ:防御しか戦闘しない
(バリア、タフ、クイックアタックはブロックを制限する効果ではないので除外)
まとめるとこんな感じ。
イルーシブはスタッツが低めですが、デメリット効果持ちが多く見た目のスタッツはそこまで低くありません。
それぞれ使い方Tipsを簡単に載せておきます。(まじめに語ると長くなりすぎるので割愛)
・チャレンジャー
チャレンジャーの主な使い方は
①相手のシステムユニットを狙い撃ちする。
②味方ユニットを守る。
この二つです。またライフスティール持ちのキャラを一番右に持ってくる役割もあります。
・フィアサム
フィアサムは非常~に地味ですが、相手の強いキャラをブロックに狩りだす、という役割があります。
・OP
留まりし者が有名ですが、攻撃力がとても高い場合はOPが一番強いです。ただし攻撃力が半端な場合は死に能力にもなりやすいです。また相手の青壁を貫通できます。
・イルーシブ
見た目以上に一番強い能力です。攻撃側で不利な戦闘を行わなくて済むので、ブロックを好き勝手行うことができ、実はブロッカーとしても優秀という側面を持ちます。
C項の結論:単体損を怖がらず積極的にアタックとブロックを行う。回避能力を持たない大型クリーチャーの採用は避ける
3.終わりに
かなり長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
皆さんのプレイや構築の助けになれれば幸いです。
次はこの理論をベースに、強いデッキ構築を考えていければいいなと考えています。
日本一目指すので、調整のお誘い歓迎しております。
拡散、ツッコミ、コメントの方ありましたら@akisaku0266 までよろしくお願いします。よくTwitchで配信していますのでそちらでも大丈夫です。ID: akisaku0266
ではでは。